今回は『骨粗しょう症』のお話です
1.骨粗しょう症とは?
骨は主としてコラーゲンからなる基質とカルシウムやリンからなる骨塩がともに同世代、同性の生理的・加齢的骨減少よりも さらに減少し、腰背痛や円背など臨床症状をともなったものを言います。
わかりやすく骨の量だけを例にとりますと、若い人と骨の量をくらべて30%以上減ってきていると骨粗しょう症と診断します。
正常な背中
骨粗しょう症の背骨の中

2.先生が整形外科の領域の中で骨粗しょう症を特に研究された理由は何ですか?
私のいた国立甲府病院で、患者さんの9割以上の高齢の方でそのほとんどが骨粗しょう症の問題を抱えていました。 その対処をいろいろしているうちに自然と研究することになりました。

3.骨粗しょう症になると具体的に何が問題になりますか?
やはり一番は、ちょっと転んだだけですぐに骨折してしまうことですね。
その中で一番厄介なのは股関節の部分で大腿骨の頚部骨折を起こすことです。実際お年寄りが転倒して 歩けなくなったと病院に運ばれて来るほとんどはこの骨折でした。頚部骨折は手術を必要とする場合が多く、 また、合併症も少なくないので、普段から注意が必要だと思います。『転ばぬ先の骨粗しょう症の治療』これに尽きると思います。 次に腰痛症があげられると思います。これは直接骨粗しょう症と関係があるとはっきり証明されていないのですが、 骨粗しょう症で骨が脆くなると、腰椎のひとつひとつの骨の辺縁などが潰れたり変形したりします。このとき傷みを伴ってもなんの 不思議もありません。

4.なぜ今骨粗しょう症が注目されているのでしょう。
2003年2月現在で日本人の65歳以上の人口は1975万人で、これは全人口の16%にあたります。 急速に高齢化が進んでいるのですが、この状況は2025年でピークに達し、全人口の20〜25%くらいがお年寄りになると いう推計が出ています。骨粗しょう症は年齢と深く関わっています。特に女性の場合、加齢に加え女性ホルモンが減るという内分泌学的な事情と関係して 骨粗しょう症が多くなっています。
5.骨粗しょう症の予防はどうしたらいいのでしょう。
特に女性は閉経後、50歳頃から骨量が急激に減ってくると言われていますが、その時点での骨量や、 あるいは骨量の減少の早さには個人差があります。早く骨粗しょう症になる人、なりにくい体質の人と それぞれです。ですから、骨粗しょう症になりやすい体質の人の場合、それを早く発見し、骨が減るのを 防止するような対策をとることが大切です。最近は骨塩定量装置を使って正確に骨の量を測り、骨が今 どういう状態なのか把握できるようになりました。予防の第一は今の自分の骨の状態を知ることからだと 思います。
陥入爪(巻き爪)と爪白癬について
* 陥入爪 歩行時やスポーツ時で爪先に力が入ったり、日常履く靴の形が 先細りになっているため趾が左右から圧迫されることにより、特に力の加えられやすい第一趾(足の親指)の爪両側よりその溝に巻きながら 入り込んで行き、爪囲炎→やがて発赤腫瘍→皮膚が堤防状肥厚→膿が排出→肉芽形成と言うようにほって置くとどんどん悪化し痛くなります。対処 療法(消毒したり、痛み止めと飲むなど)で改善されることがありますが、ほとんどの場合痛くなり始めたことは、かなり進んでいる状態 になっていますので早めに手術をお勧めします。当院では痛みが少なく(麻酔の注射を刺すときの痛さのみ)縫ったり、メスを 使ったりしない、30分で終わる最新方法で手術を行っています。
* 爪白癬(つめはくせん) これは爪にできる水虫のことです。これも足の指に多くできますが、手の爪にもできる場合もあります。 最初は爪全体が白っぽくなり、徐々に黒ずんで来て爪が厚くなり、前章の巻き爪を伴ってかなりひどい状態になることもあります。 治療には、抗白癬菌薬をつかうのですが、外用薬では1年かかり、内服薬でも2カ月〜3カ月かかります。したがって当院では内服薬をお勧めしています。